これから建物をめぐる旅に出ます。色々な建物を紹介出来たらと思います。
第1回目の建物は、住吉の長屋です。

大阪府大阪市に1976年に完成 設計者:安藤忠雄
安藤忠雄氏の実質的なデビュー作品であり、日本建築学会賞を受賞した建物です。
印象としては、外は閉鎖的であり内は開放的であること。
中に入らなければ本当に住宅なのかと疑ってしまうようなそんな面持ちではあるが、中に入って
初めて人が住んでいるのだなと少し安心する。
1階中央の中庭に進むと空が見え、まるで地下にいるような錯覚をしてしまう。両隣りに建物が
隣接していることを感じさせないそんな空間である。
狭小敷地であり、建物ひしめく都市のど真ん中に建っているのに、静けさや明るさや風を感じる
ことができるこの中庭こそが安藤建築の原点なのではないだろうか。
雨が降っている日は、傘を差さないとトイレに行けないという住宅ではまずありえない平面構成
となっているが、37年経った現在も竣工当時とほぼ変わらない様子で住まい手は住み続けてい
ます。そこには、住まい手の強い覚悟を感じることができます。
次回につづく